重量鉄骨ラーメン構造とは

耐久性に優れた重量鉄骨ラーメン構造

重量鉄骨ラーメン構造は、「丈夫さ」で有名な重量鉄骨を活かした構造のことです。

重量鉄骨は、高層ビルに採用されている純ラーメン構造などで有名とされています。
重量鉄骨そのものは、今までは「耐久性、遮音性で評価される工法」の1つでしかありませんでした。
しかし、近年ではさらに耐久性が高く、且つ遮音性にも優れ、加工、メンテナンスにも適している重量鉄骨が存在するため、ラーメン構造と言われている工法にも注目が集まっているのです。

ラーメン構造とは、「重量鉄骨の通し柱を活かして、床梁(ゆかばり)を高力ボルト接合するというシンプルな作り」です。
なぜこのような構造が存在するのかというと、ビルのような限られたスペースを少しでも広くする必要がある建造物に対して、ラーメン構造を活かすと、建築、加工、メンテナンスが容易になるという魅力があるからです。

重量鉄骨の通し柱、床梁を接合することでスペースが広がり、且つ、限られた空間内に重要な物体(通し柱、梁など)が密集しているので、後になって、その部分を加工、メンテナンスする際も重点的な処置で対処可能となります。
また、重量鉄骨ラーメン構造であれば、このような斬新な作りであっても耐久性が落ちません。
しかも、風化による傷みが少ないので、長期間の利用でメンテナンスが必要となる・・・というふうに、定期的なメンテナンスについても、余裕をもって対処できる魅力まであるのです。

重量鉄骨ラーメン構造と新しい技術

重量鉄骨ラーメン構造は、現代の要望に沿った「地震、火事に強い」という特徴があります。

近年では、震災などの影響でビルに大きなダメージが残ってしまったり、火事などに弱いビルが存在することも、少しずつではありますが知られるようになってきました。
しかし、重量鉄骨ラーメン構造は、そもそも災害に対して強いことが評価されているため、重量鉄骨ラーメン構造の評価が著しく上昇しているのです。

例えば、重量鉄骨ラーメン構造であれば「カーテンウォール工法」といった、外壁が「ねじれ、横揺れに強い」作りに変えることもできます。
他にも、「不要な揺れを制御するTMD、AMD制振装置」も存在するので、ほとんど地震による揺れを感じることなく、またビル内に多くのダメージが蓄積せず、長く使用できるという特徴も有しているのです。

なにより、このような構造体を作り出せるという魅力があるだけでなく、基本的に重量鉄骨ラーメン構造であれば、「作業の順序がほぼ一緒」という特徴もあるため、高いビルを建設する際は、作業が大きく違う・・・という心配もありません。
さらに、費用面でもメンテナンス費用が浮きやすいため、その面でも高評価という状況です。