売買契約に関するお話

大事な約束を交わす手続き

家の売買は大きな金額が動くことと、不動産として価値があるものでもあることから、口約束だけで売買取引を成立させるものではないと考えてください。
きちんと売買契約を交わしたうえで、双方納得できる形で契約を締結させる必要があります。
一般の方はあまり馴染みがないと思われる売買契約に関するお話をご紹介します。

売買契約書の内容を把握する

売買契約に関しては、本来であれば法律に違反していないことや公序良俗に違反していない限りは自由だとされています。
つまり、売り主が買い主に対して「この家は一千万円で売ってあげるよ!」と言って、買い主が「それなら10日位内に支払います」とお互いに口約束をするだけでも成立するもので、双方が自己責任で締結するなら良いと言えます。
しかし、売り主が急に「やっぱりこの家は千5百万円で売ることにしたよ」と言い分を変えて買い主側を困らせるように、消費者側に不利益が被るようなことがあってはいけません。
このようなトラブルを避けるためにも、きちんとした形で売買契約を交わすことが重要になるのです。

売買契約書に記載する内容については、特別決まった書式はありませんが、契約内容が明確にわかるように記載していなければ後にトラブルに発展する可能性があるため、売り主と買い主の双方が納得できるように可能な限り細かい内容を記載しておいた方が良いです。
一般的な内容としては、買い主と売り主が誰なのか、いつ何をいくらで売買するのか、代金の支払いはどんな方法でいつまでなのかなどを記載します。
家の売買については所有権の移転や引き渡し時期、固定資産税の清算、手付金の額、契約違反があった場合の解除や違約金、瑕疵担保責任などの項目についても記載します。

不動産会社に売買の仲介を依頼した場合には不動産会社で用意している標準の書式に必要事項を記載する形で準備することもできます。
記載漏れがないかプロの視点で最終チェックをしてもらうこともできますので遠慮無く相談してください。

売買契約書の内容を最終チェック

売り主と買い主が家の売買に同意してから1週間以内の目安にして売買契約を正式に行うことになりますので、それまでに売買契約書を作成しておかなければいけません。
売買契約書を売り主が作成して不動産会社にチェックをしてもらうこともできますし、不動産会社に依頼して作成してもらい売り主が内容を確認することもできます。
素人にとっては聞き慣れない専門用語が多くて意味がわからないかもしれませんが、内容が不明なまま承認するのではなくきちんと納得できるか確認することが大切です。

例えば「瑕疵担保責任」とは、隠れた欠陥のことで例えば雨漏りをするとかシロアリに柱を浸食されているなどの弊害に対して負う賠償責任のことです。
売り主としてはこの内容を把握していなければ後で思わぬ損害賠償請求をされる可能性もあるので必ず確認しておきましょう。